3歳の女児。発熱と全身の皮疹を主訴に祖母に連れられて来院した。2日前から38 ℃台の発熱と顔面の紅斑が出現し、紅斑は昨日から全身に拡大したという。薬剤内服歴はない。

体温 38.1 ℃。脈拍 132/分、整。血圧 96/58 mmHg。呼吸数30/分。SpO₂ 98 %(room air)。口囲と鼻周囲の紅斑とともに鱗屑、黄色痂皮を認める。びまん性紅斑は頸部、腋窩、腹部および鼠径部に高度である。患児は接触痛を訴え、元気がなく不機嫌である。頸部の紅斑には小水疱と小膿疱を伴う。眼粘膜と口腔粘膜とに異常を認めない。

血液所見:赤血球 434 万、Hb 12.1 g/dL、Ht 35%、白血球 12,300、血小板 33 万。免疫血清学所見:CRP 0.8 mg/dL、ASO 230 単位(基準 250 以下)。顔面から胸部にかけての写真を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a. 風疹

b. 麻疹

c. 伝染性紅斑

d. Stevens-Johnson 症候群

e. ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群

問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)