23 歳の女性。発熱と頭痛を主訴に来院した。昨日から 38 ℃の発熱、頭痛および頻回の嘔吐があり受診した。鼻汁、咽頭痛、咳嗽および排尿時痛はいずれも認めない。
意識は清明。身長 155 cm、体重 48 kg。体温 39.6 ℃。脈拍 104/分、整。血圧108/50 mmHg。呼吸数 22/分。SpO₂ 99 %(room air)。頸部リンパ節腫脹を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。背部に叩打痛を認めない。項部硬直と Kernig 徴候を認めないが jolt accentuationを認める。
尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)、白血球(-)。血液所見:赤血球 440 万、Hb 13.0 g/dL、Ht 44 %、白血球 3,600(桿状核好中球8%、分葉核好中球 55 %、好酸球3%、好塩基球2%、単球4%、リンパ球 27 %)、血小板 14 万。血液生化学所見:尿素窒素 26 mg/dL、クレアチニン 1.1 mg/dL、Na 135 mEq/L、K 4.1 mEq/L、Cl 93 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。血液培養の検体を採取し、抗菌薬治療を開始した。
次に行うべきなのはどれか。
a. 尿培養
b. 便培養
c. 咽頭培養
d. 喀痰培養
e. 腰椎穿刺
髄膜炎の症例と思われる。腰椎穿刺。
問題のメッセージは、項部硬直とかKernig's signの感度はあまり高くないよということ。
国家試験では感度100%特異度100%な問題が多いですが、実臨床ではそんなことは無いです。自分の行う診察手技の感度や特異度がどのくらいなのかを考えて診察に挑みましょう。
項部硬直とかケルニッヒ徴候とかブルジンスキー徴候の感度や特異度を調べた論文↓