問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
28歳の女性。左ふくらはぎの腫脹と疼痛を主訴に来院した。3日前から症状があったが痛みが増強してきたことに加え、労作時息切れも出現したため受診した。自然流産を3回繰り返している。家族歴に特記すべきことはない。脈拍 86/分、整。血圧 120/78 mmHg。呼吸数 30/分。SpO₂ 91 % (room air)。
心音はⅠ音が亢進している。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左下肢は腫脹と発赤がみられ、足関節の背屈によりふくらはぎに強い痛みが生じる。血液所見:赤血球428万、Hb 13.8 g/dL、Ht 39%、白血球 4,300、血小板 8.0万、PT-INR 0.9(基準 0.9~1.1)、APTT 58.2 秒(基準対照 32.2)、Dダイマー 8.4 μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:尿素窒素 14mg/dL、クレアチニン 0.6 mg/dL、尿酸 3.6 mg/dL。
行うべき検査はどれか。2つ選べ。
a. 血液培養
b. 骨髄検査
c. 頭部MRI
d. 胸部造影CT
e. 下肢静脈超音波検査
抗リン脂質抗体症候群を背景とした、下肢の静脈塞栓症の症例。