76歳の男性。血痰と腰痛を主訴に来院した。1か月前から腰痛が出現し次第に増強し、3日前から喀痰に血液が混じるため受診した。喫煙は74歳まで20本/日を54年間。
意識は清明。身長 165 cm、体重 56 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 140/76 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 97%(room air)。食欲は良好。血液所見:赤血球 420万、Hb 12.8g/dL、Ht 40%、白血球8,600、血小板42万。
血液生化学所見:総蛋白 6.2 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 19 U/L、LD 343 U/L(基準 120~245)、尿素窒素 20 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL。胸部単純エックス線写真で右下肺野に5cm大の腫瘤を認める。全身の造影CTと気管支鏡下生検により腰椎転移を伴う進行肺扁平上皮癌と診断され薬物による抗癌治療の開始を検討中である。
現時点で行うべき疼痛対策として適切でないのはどれか。
a. NSAID経口投与
b. 塩酸モルヒネ皮下投与
c. 骨転移への放射線照射
d. アセトアミノフェン経口投与
e. ビスホスホネート製剤静脈投与
終末期患者に対する緩和医療。
鎮痛薬使用の5原則・三段階除痛ラダーの知識を問う問題。
5原則
経口的に(by mouth)
時刻を決めて規則正しく(by the clock)
除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)
患者ごとの個別的な量で(for the individual)
その上で細かい配慮を(with attention to detail)