問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
73歳の女性。口腔粘膜疹と皮疹を主訴に来院した。2か月前から口腔粘膜にびらんを生じ、摂食時に疼痛を伴うようになった。自宅近くの診療所でうがい薬を処方されたがびらんが拡大し、2週前から皮膚にも水疱とびらんが出現したため受診した。
受診時、歯肉と口蓋部に発赤を伴うびらんを多数認める。体幹と四肢には径 15mmまでの紅斑、水疱、びらん及び痴皮を認める。皮膚生検で表皮基底層直上に裂隙を認め、棘融解像を伴う。蛍光抗体直接法では表皮下層を中心に表皮細胞間にIgG、C3の沈着を認める。口腔粘膜と上肢の写真及び生検組織のH-E染色標本を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a. 後天性表皮水疱症
b. 尋常性天疱瘡
c. 水疱性類天疱瘡
d. 疱疹状皮膚炎
e. 落葉状天疱瘡