68歳の男性。ふらつき感を主訴に来院した。

現病歴: 本日起床時から、頭がふらふらする感じを自覚したため受診した。

既往歴: 2年前に自宅近くの診療所で糖尿病と診断されたが、その後通院していない。

生活歴: 長男夫婦と同居している。偏食が激しく、近所で買って来た菓子などで不規則な食事をし、しばしば居酒屋で大量飲酒している。

現症: 意識は清明。身長 165 cm、体重 70 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 104/分、整。血圧 104/64 mmHg。呼吸数 20/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。眼振を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力低下を認めず、四肢・体幹の運動失調を認めない。起立と歩行に異常を認めないが両側アキレス腱の腱反射が消失している。

検査所見:来院時、簡易血糖測定器で測定した血糖は 350 mg/dLであった。


患者は「まだ糖尿病なのですかね」と話した。医師の適切な応答はどれか。

a. 「このまま放っておくと失明しますよ」

b. 「直ちにインスリンによる治療が必要です」

c. 「わかっているのになぜ放っておいたのですか」

d. 「糖尿病についてどのようにご理解されていますか」

e. 「医師の言うことを守れないのであれば通院する必要はありません」

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糖尿病の診療を開始するにあたり、医師の説明で適切なのはどれか。

a. 「すぐに運動して、体重を落としましょう」

b. 「薬物治療の導入は、薬剤師が決定します」

c. 「ご家族にも病状を説明したいのですが、良いですか」

d. 「看護師が生活指導を担当するので、医師に聞かないでください」

e. 「治療について医師の言うことは絶対なので、必ず守ってください」

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)