問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
32 歳の女性。発熱、めまい、全身倦怠感を主訴に来院した。半年前から 37 ℃前後の微熱が持続し、全身倦怠感やめまいも生じてきた。総合感冒薬を内服したが、症状が改善しないため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。
血圧は右上肢 120/62 mmHg、左上肢80/40 mmHg。頸部から左鎖骨上窩にかけて血管雑音を聴取する。心音は胸骨左縁第 3 肋間を最強点とする Levine 2/6 の拡張期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。
赤沈 85 mm/ 1 時間。血液所見:赤血球360 万、Hb 10.8 g/dL、白血球 9,600(桿状核好中球 10 %、分葉核好中球 70 %、好酸球 1 %、好塩基球 1 %、単球 4 %、リンパ球 14 %)。心電図と胸部エックス写真に異常を認めない。三次元造影 CTを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a. 大動脈縮窄症
b. サルコイドーシス
c. 大動脈弓部大動脈瘤
d. Stanford A型大動脈解離
e. 高安動脈炎〈大動脈炎症候群〉
高安動脈炎(大動脈炎症候群)は若年女性に見られることが多く、上肢の血圧差、血管雑音、赤沈の上昇などの症状が特徴。