53 歳の女性。労作時息切れを主訴に来院した。1 か月前に自宅の階段を昇る際に息切れを自覚し、その後も症状が増悪するため受診した。

眼瞼結膜は貧血様で、眼球結膜に黄染を認める。胸骨右縁第 2 肋間を最強点とする Levine 2/6 の収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。圧痛を認めない。

血液所見:赤血球 260 万、Hb 7.8 g/dL、Ht 27 %、網赤血球 4.2 %、白血球 5,400(桿状核好中球 5 %、分葉核好中球 58 %、好酸球 2 %、単球 13 %、リンパ球 22 %)、血小板 38 万。血液生化学所見:総蛋白 7.4 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 5.5 mg/dL、 直接ビリルビン 0.9 mg/dL、AST 37 U/L、ALT 29 U/L、LD 740 U/L(基準 120~245)、ALP 66 U/L(基準 38~113)、 尿素窒素 18 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、尿酸 4.5 mg/dL、ハプトグロビン 2 mg/dL(基準 19~170)。免疫血清学所見:CRP 0.6 mg/dL、直接 Coombs 試験陽性。

この患者に行う初期治療で正しいのはどれか。

a. 脾臓の摘出

b. 造血幹細胞移植

c. 抗 C 5 抗体の投与

d. 抗 CD 20 抗体の投与

e. 副腎皮質ステロイド薬の投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)