64 歳の女性。息苦しさを主訴に来院した。15 年前から高血圧症と糖尿病を指摘されていたが、医療機関を受診しなかった。 2 か月前に発熱で自宅近くの診療所を受診し、腎機能障害を指摘された。 3 週間前から食欲がなく果物だけ食べていた。
一昨日の夜間就寝後から息苦しさを自覚したため受診した。意識は清明。身長166 cm、体重 75 kg( 2 か月前は 70 kg)。脈拍 92/分、整。血圧 190/110 mmHg。呼吸数 20/分。SpO₂ 90 %(room air)。両下肺野に coarse crackles を聴取する。両下腿に高度の圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白 3 +、糖 2 +、潜血(-)。随時尿の尿蛋白 188 mg/dL、クレアチニン 87 mg/dL。血液所見:赤血球 335 万、Hb 9.0g/dL、Ht 31 %。血液生化学所見:総蛋白 5.3 g/dL、アルブミン 2.8 g/dL、尿素窒素 56 mg/dL、クレアチニン 3.9 mg/dL、尿酸 6.8 mg/dL、血糖 263 mg/dL、HbA1c 8.6 %(基準 4.9~6.0)、 Na 140 mEq/L、 K 6.7 mEq/L、 Cl 106 mEq/L、Ca 7.2 mg/dL、P 5.6 mg/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血を認める。心電図でテント状 T 波を認める。

この患者にまず投与すべき薬剤はどれか。

a. SGLT2 阻害薬

b. アルブミン製剤

c. グルコン酸カルシウム

d. エリスロポエチン製剤

e. アンジオテンシン受容体拮抗薬

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)