問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
診断の除外に有用なのはどれか。
a. 感度の高い検査が陽性のとき
b. 感度の高い検査が陰性のとき
c. 特異度の高い検査が陽性のとき
d. 特異度の高い検査が陰性のとき
e. 感度/(1-特異度)が 1 より大きいとき
診断の除外に有用なのは「b. 感度の高い検査が陰性のとき」である。
以下に、感度と特異度について説明する:
- **感度(Sensitivity)**:疾患がある人が検査で陽性になる確率を示す。感度が高い検査は、疾患を見逃す可能性が低い。したがって、感度の高い検査が陰性の場合、その疾患を除外するのに有用である。
- **特異度(Specificity)**:疾患がない人が検査で陰性になる確率を示す。特異度が高い検査は、疾患がない人を陽性と誤判定する可能性が低い。したがって、特異度の高い検査が陽性の場合、その疾患を確定するのに有用である。
選択肢に関して:
- a. 感度の高い検査が陽性のとき:これは疾患の存在を強く示唆するが、感度が高いこと自体は除外に直接関与しない。
- b. 感度の高い検査が陰性のとき:感度の高い検査が陰性であれば、疾患を除外するのに有用である。これが正しい選択肢である。
- c. 特異度の高い検査が陽性のとき:これは疾患の確定に有用である。
- d. 特異度の高い検査が陰性のとき:これは疾患の除外には有用ではない。
- e. 感度/(1-特異度)が1より大きいとき:これは診断に有用な指標かもしれないが、直接的に診断の除外に関与するとは限らない。
したがって、診断の除外に有用なのは「b. 感度の高い検査が陰性のとき」である。