78 歳の女性。食欲不振のため救急車で搬入された。
現病歴 : 約 1 週間前から食事摂取が減少し一日中ベッドに横になっていることが多くなった。昨日から食事摂取が困難となったため、夫が救急車を要請した。
既往歴 : 約25 年前に高血圧症、約 2 年前に Alzheimer 型認知症および骨粗鬆症と診断された。 3 か月前に左大腿骨転子下骨折に対して手術が行われた。アンジオテンシン受容体拮抗薬〈ARB〉、カルシウム拮抗薬、活性型ビタミン D 製剤およびコリンエステラーゼ阻害薬を服用している。
生活歴 : 夫と 2 人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴 : 父が脳梗塞、母が脳出血。
現 症 : 意識レベルは JCSⅡ-10。身長 151 cm、体重 46 kg。体温 36.4 ℃。心拍数 100/分、整。血圧 108/78 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 95 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に異常を認めない。
検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 320 万、Hb 10.1 g/dL、Ht 30 %、白血球 7,200、血小板 23 万。血液生化学所見:総蛋白7.1 g/dL、アルブミン 3.6 g/dL、総ビリルビン 0.6 mg/dL、AST 23 U/L、ALT12 U/L、LD 184 U/L(基準値 124~222)、尿素窒素 41 mg/dL、クレアチニン1.0 mg/dL、血糖 110 mg/dL、 Na 146 mEq/L、 K 3.8 mEq/L、 Cl 103 mEq/L、Ca 13.6 mg/dL。CRP 0.2 mg/dL。

頭部単純 CT で異常を認めなかった。

この患者に認められる可能性が高い所見はどれか。

a. 多 尿

b. テタニー

c. Barré 徴候

d. Trousseau 徴候

e. 固定姿勢保持困難〈asterixis〉

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初期治療に用いるべきものはどれか。

a. 生理食塩液

b. 点滴用蒸留水

c. 50 % ブドウ糖液

d. 炭酸水素ナトリウム液

e. グルコン酸カルシウム液

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)