下線部のうち、この患者に情報提供する制度で適切なのはどれか。
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④
e. ⑤
この患者に情報提供する制度で適切なのは「c. 高額療養費制度」である。
以下に理由を説明します:
- **①介護保険**:介護保険は主に65歳以上の高齢者や、40歳以上65歳未満で特定疾病を持つ人が対象です。この患者は36歳であり、介護保険の対象外です。
- **②生活保護**:生活保護は、生活が困窮しているすべての国民を対象にした制度ですが、収入や資産が一定基準以下であることが条件です。この患者は収入がなくなることを心配していますが、まだ収入や資産状況が不明ですし、まずは他の社会保障制度を検討するのが適切です。
- **③高額療養費制度**:高額療養費制度は、医療費が一定額を超えた場合にその超過分を補助する制度です。治療費が高額になることが予想される癌の治療に対して非常に有効です。この患者にとって最も直接的な経済的支援となります。
- **④指定難病医療費助成制度**:指定難病医療費助成制度は、特定の難病に対する医療費を助成する制度ですが、癌は指定難病には含まれていません。
- **⑤ひとり親家庭等医療費助成制度**:ひとり親家庭等医療費助成制度は、ひとり親家庭を対象とした支援制度であり、この患者には該当しません。
したがって、この患者に適切な情報提供となる制度は「c. 高額療養費制度」です。
この患者が利用できる社会保障制度の説明を依頼すべき職種で最も適切なのはど れか。
a. 看護師
b. 公認心理師
c. 介護支援専門員
d. 精神保健福祉士
e. 医療ソーシャルワーカー
この患者が利用できる社会保障制度の説明を依頼すべき職種で最も適切なのは「e. 医療ソーシャルワーカー」である。
医療ソーシャルワーカーは、患者やその家族に対して社会保障制度や医療費助成制度についての情報提供や支援を行う専門職です。以下に理由を説明します:
- **a. 看護師**:看護師は患者の医療ケアに関する専門知識を持っていますが、社会保障制度や経済的支援に関する専門知識は通常持っていません。
- **b. 公認心理師**:公認心理師は心理的な支援を専門としていますが、社会保障制度に関する知識は専門外です。
- **c. 介護支援専門員**:介護支援専門員(ケアマネージャー)は介護保険サービスの利用計画を立てる専門職ですが、医療費助成制度や社会保障制度に関する知識は専門外です。
- **d. 精神保健福祉士**:精神保健福祉士は精神障害者の支援を専門としていますが、癌患者の医療費助成や社会保障制度に関する支援は通常の専門外です。
- **e. 医療ソーシャルワーカー**:医療ソーシャルワーカーは、患者の経済的、社会的問題に対応し、社会保障制度や医療費助成制度についての情報提供や申請手続きをサポートする専門職です。
したがって、この患者が利用できる社会保障制度の説明を依頼すべき最も適切な職種は「e. 医療ソーシャルワーカー」です。