Aちゃん(11 歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。

血液検査データは、赤血球 580 万/μL、Hb 13.9 g/dL、Ht 44 %、白血球 9,500/μL、尿素窒素 31 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 4.8 mEq/L、Cl 94 mEq/L、随時血糖 900 mg/dL。動脈血ガス分析は、pH 7.21、BE -12.3、HCO3- 10.9 mEq/L。尿検査は、尿糖+、尿ケトン体3+であった。

Aちゃんは1型糖尿病の疑いで入院した。


入院時のバイタルサインは、体温 37.3 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 120/分、整、血圧 110/68 mmHg であり、点滴静脈内注射が開始された。

入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。

1. 冷汗

2. 浮腫

3. 悪寒

4. 意識障害

5. 皮膚の弾力性の低下

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Aちゃんは、インスリンの持続的な注入を開始し、3日後、血糖値が安定した。1型糖尿病と診断が確定しインスリン自己注射を始めることになった。ペン型注入器を用いて、毎食前に超速効型インスリンの皮下注射、21 時に持効型溶解インスリンの皮下注射を行うという指示が出ている。

Aちゃんと両親に対するインスリン自己注射の指導で適切なのはどれか。2つ選べ

1. インスリンを注射する部位は前回と違う部位に行う。

2. 超速効型インスリンは単位数を変更せずに注射する。

3. 食欲がないときは食後に超速効型インスリンを注射する。

4. 血糖値が 100 mg/dL 以下のときは持効型溶解インスリンの注射を中止する。

5. インスリンの注射をした後は針を刺した場所をよくもむ。

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Aちゃん及び両親は、1型糖尿病の療養生活に必要な知識や手技を順調に獲得した。血糖値が良好にコントロールされたため、退院に向けてAちゃんと両親、主治医、担当看護師および学校の関係者との間でこれからの学校生活について話し合った。

医療者から学校の関係者に伝える内容で最も適切なのはどれか。

1. 「長距離走や水泳の授業は見学させてください」

2. 「宿泊を伴う校外活動は保護者の同伴が必要です」

3. 「教室内にインスリン注射を行う場所を設けてください」

4. 「家庭科の調理実習は同級生と違う献立にしてください」

5. 「手指の震えや強い空腹感があるときはブドウ糖の補食が必要です」

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