Aさん(38 歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25 歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。


入院後1週が経過した。Aさんはベッドに横になりじっと窓を見つめていることが多くなった。看護師が何をしているのか話しかけると、Aさんは「死にたいと思っている」と答えた。

このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1. 話題を変える。

2. 気分転換を促す。

3. すぐに良くなると励ます。

4. 自殺しないことをAさんに約束してもらう。

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入院後4週が経過した。昨日は、午前中ホールに1回出てきたが、すぐに病室に戻ってしまった。今朝、看護師がホールに出てきたAさんに「おはようございます」と声を掛けたところ、「おはよう」と答えただけで病室に戻ってしまった。夕方には 他の患者とも会話をしたり、一緒にテレビを見たりするようになった。看護師が気分について尋ねると「まだ死にたい気持ちが残っている」と話した。

このときのAさんの状態のアセスメントとして正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 過活動である。

2. 気分には日内変動がある。

3. 自分に注目して欲しいと思っている。

4. 行動の回復と感情の回復に差が生じている。

5. 看護師に声を掛けられたことに怒りを感じている。

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入院後3か月が経過した。Aさんは気分が安定し、食事も全量摂取できるようになり、日中は作業療法に週4日参加している。「もう死にたい気持ちはなくなりました。でも、まだ短時間しか新聞を読めないので、仕事に戻るのが不安です」と話している。

Aさんの退院に向けた支援として適切なのはどれか。2つ選べ。

1. 転職を勧める。

2. 上司との面会を設定する。

3. 再発のサインを一緒に見つける。

4. 自信が持てるようになるまで待つ。

5. 作業療法に集中力を高めるプログラムを入れる。

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