A さん(62 歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部 CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され入院した。

既往歴 : 42 歳で糖尿病と診断された。59 歳と 61 歳で肺炎に罹患した。

生活歴 : 3年前から禁煙している(20〜59 歳は 20 本/日)。

身体所見 : BMI 17.6。体温 38.8 ℃、呼吸数 30/分、脈拍 112/分、血圧 140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>91 %。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。

検査所見 : 血液検査データは、白血球 13,000/μL、Hb 10.5 g/dL、総蛋白 5.2g/dL、アルブミン 2.5 g/dL、随時血糖 85 mg/dL、CRP 13.2 mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH 7.35、動脈血二酸化炭素分圧<PaCO2> 38 Torr、動脈血酸素分圧<PaO2>56 Torr。胸部エックス線写真と胸部 CT で、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。


入院時の A さんの身体状況のアセスメントで適切なのはどれか。

1. 水様性の気道分泌物が貯留している。

2. 呼吸性アシドーシスである。

3. 栄養状態は良好である。

4. Ⅰ型呼吸不全である。

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A さんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。

A さんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。

1. A

2. B

3. C

4. D


入院後 18 日。A さんは2日後に自宅へ退院することとなった。A さんは「病院に来る前は、息苦しくて死ぬかと思った。あのような思いはもうしたくない。家に帰ってまた息苦しくならないか不安だ」と言う。

A さんが症状を自己管理できるように指導する内容で適切なのはどれか。

1. 習慣的に腹式呼吸をする。

2. 入浴時は肩まで湯に浸かる。

3. 動作時は前傾姿勢を保持する。

4. 息苦しくなったら仰臥位を保持する。

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