A さん(87 歳、男性)。3年前にアルツハイマー型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近 A さんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。
A さんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。
1. ランクⅡ a
2. ランクⅡ b
3. ランクⅢ a
4. ランクⅢ b
5. ランク M
その後、A さんは、コンロの火を消し忘れることや、買い物に行って自宅に戻れないことが何度もあり、在宅での生活が困難になったため、介護老人福祉施設に入所した。A さんは自分の思い通りにならないときに、大声を出して暴れることがあった。時折落ち着かない様子で施設内を徘徊することがあったが、看護師が話しかけると、立ち止まり「散歩しています」と笑顔で話していた。ある日、A さんがエレベーター前に人で立っていたため、看護師がどこへ行くのか尋ねると、Aさんは「家に帰ります」と言った。
このときの看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1. 「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。
2. 「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する。
3. 「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。
4. 「入所中なので家には帰れません」と説明する。
普段は入浴を楽しみにしていた A さんが、1週前に浴室で誤って冷たい水をかぶってしまい、それ以来「お風呂に入ると寒いから嫌だ」と言って、入浴を拒否するようになった。この日も「お風呂は寒い」と言って入浴を拒否している。看護師が浴室と脱衣室の室温を確認すると 26 ℃〜28 ℃にあたためられていた。また、施設内の温度は一定に設定されており、浴室から部屋まで移動する間も寒さを感じること
はなかった。
A さんへの対応として適切なのはどれか。
1. 入浴の必要性を説明する。
2. 特殊浴槽での入浴を勧める。
3. 一緒に湯の温度を確認する。
4. 今日は入浴しなくてよいと伝える。