A 君(14 歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝 10 時から 12 時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり個とお茶を 500 mL 摂取し、休憩後の 13 時から15 時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は 32 ℃であった。15 分休憩し練習を再開したところ、A 君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当の B 教諭が、A 君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A 君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。

B 教諭が病院に電話連絡したところ、熱中症の疑いがあるため、A 君をタクシーで病院に連れて行くこととなった。このときの A 君の意識は清明で、体温は 38.7℃であった。

病院到着までに、看護師が B 教諭に指示する処置として適切なのはどれか。

1. A 君の体を冷やす。

2. A 君に水を飲ませる。

3. A 君の上体を高くする。

4. 中枢から末 に向けて A 君の手足をマッサージする。

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B 教諭に付き添われて、A 君は病院に到着した。来院時、A 君のバイタルサインは、体温 38.5 ℃、呼吸数 26/分、脈拍 128/分、血圧 90/48 mmHg であった。口唇粘膜は乾燥し、皮膚をつまむとゆっくり戻る状態であった。血液検査データは、赤血球 580 万/μL、白血球 12,500/μL、Hb 16.8 g/dL、Na 152 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 109 mEq/L、クレアチニン 0.9 mg/dL であった。尿比重 1.035。受診時の身長

165 cm、体重 57 kg(発症前 60 kg)。

A 君の状態に対するアセスメントとして適切なのはどれか。

1. 貧血である。

2. 低カリウム血症である。

3. 高ナトリウム血症である。

4. 循環血液量が増加している。

5. ツルゴール反応は正常である。

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A 君は熱中症と診断された。点滴静脈内注射の後、A 君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いの B 教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。

熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。

1. 袖口の狭い服の着用を促す。

2. 口渇がなくても水分摂取を促す。

3. 湿度が高いときに部活動をする。

4. 休憩は 90 分に1回を目安にする。

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