A 君(13 歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。
身体所見 : 体温 36.7 ℃、血圧 110/66 mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。
検査所見 : 血液所見:赤血球 470 万/μL、白血球 5,600/μL、血小板 21 万/μL。プロトロンビン活性<PT 活性>105 %(基準値 80〜120 %)、活性化部分トロンボプラスチン時間<APTT>32.0 秒(基準対照 31.2 秒)。クレアチニン 0.56 mg/dL、アル ブ ミ ン 3.7 g/dL、CRP 0.1 mg/dL。補 体 価 (CH 50) 41 IU/mL (基 準 値 30〜45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球 50〜99/1 視野。
A 君の状態から最も考えられる疾患はどれか。
1. 川崎病
2. 血友病 A
3. 急性リンパ性白血病
4. 全身性エリテマトーデス<SLE>
5. ヘノッホ・シェーンライン紫斑病<IgA 血管炎>
その後6か月間、A 君は外来で経過観察となった。関節症状および紫斑は自然に消失したが、尿の異常と低蛋白血症は変わらず、その他の所見も変化がなかった。
A 君の尿の異常の確定診断をするために最も重要な検査はどれか。
1. 腎生検
2. 咽頭培養
3. 腹部 MRI
4. クレアチニンクリアランスの測定
検査の結果、A 君は2年間のステロイド治療が必要と判断された。1か月後に外来受診の予定である。
看護師から A 君に対して行う生活指導で適切なのはどれか。
1. 「水分を積極的に摂取してください」
2. 「紫斑が出現したら記録してください」
3. 「蛋白質を制限した食事を摂取してください」
4. 「日光をなるべく浴びないようにしてください」