検査所見:Hb 5.1 g/dL、白血球 44,960/μL、血小板 1.5 万/μL、総ビリルビン 1.1mg/dL、尿素窒素 19.4 mg/dL、クレアチニン 0.76 mg/dL、CRP 2.2 mg/dL。胸部エックス線:縦郭・心陰影・肺野に異常なし。
A さんの骨髄穿刺の 30 分後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。
1. 経皮的動脈血酸素飽和度
2. 穿刺部の止血状態
3. 下肢の運動障害
4. 眼瞼結膜
Aさんの状況を考えると、骨髄穿刺後に最も注意すべき点は「2. 穿刺部の止血状態」です。この選択肢が優先度が高い理由は、Aさんの極めて低い血小板数(1.5万/μL)にあります。正常な血小板数は15万から40万/μLの範囲であり、Aさんの血小板数は出血傾向が高いレベルです。穿刺部の止血が不十分だと、出血のリスクが大きくなります。
A さんは急性骨髄性白血病と診断された。化学療法によって寛解し、造血幹細胞移植を行う方針となった。
A さんの造血幹細胞移植で正しいのはどれか。
1. A さんと骨髄提供者の性別が一致している必要がある。
2. 移植後週間で退院できる。
3. 移植前処置が必要である。
4. 手術室で行う。
Aさんの造血幹細胞移植に関連して、正しい情報は「3. 移植前処置が必要である」です。この選択肢が正しい理由は、移植を行う前に行われる処置、特に条件付け療法が重要であるからです。条件付け療法とは、高用量の化学療法や放射線療法を使用して患者の体内の病気細胞を除去し、免疫システムを抑制するプロセスです。これにより、ドナーの造血幹細胞が患者の骨髄に定着しやすくなります。
造血幹細胞移植後、生着が確認された。皮膚に StageⅠ の移植片対宿主病を発症したが、免疫抑制薬の内服を継続しつつ退院することになった。A さんの退院に向けた看護師の指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 「皮膚の状態がよくなれば免疫抑制薬は中止してください」
2. 「加熱していない魚介類を食べるのは避けましょう」
3. 「インフルエンザワクチンの接種は避けてください」
4. 「直射日光に当たらないようにしましょう」
5. 「入浴は最小限にしてください」
Aさんの状況を考えると、移植後の生活指導では感染予防と移植片対宿主病(GVHD)の管理が重要です。正しい指導内容は以下の通りです:
2. 「加熱していない魚介類を食べるのは避けましょう」 - 移植後の患者は感染症に対する抵抗力が低下しているため、生もしくは加熱不十分な食品を避けることが推奨されます。これにより、細菌や寄生虫などによる食中毒のリスクを減らすことができます。
4. 「直射日光に当たらないようにしましょう」 - 移植片対宿主病(GVHD)は、皮膚に影響を与えることが多く、特に紫外線による影響を受けやすくなります。紫外線による皮膚の炎症を避けるため、直射日光を避けることが重要です