最近、A さんが妻の介助を激しく拒否し大声で怒鳴ることが多くなってきたため、妻は介護支援専門員に相談した。相談の結果、妻の介護負担を軽減する目的で、Aさんは通所介護を利用することになった。
通所の初日、A さんは、初めての場所に戸惑った様子で、施設内を歩き回って いる様子がみられた。妻は「夫がデイサービスに慣れるか心配です」と言って、A さんの様子をみている。 妻への看護師の声かけで最も適切なのはどれか。
1. 「A さんが好きなことをして過ごせるようにします」
2. 「入口のドアに鍵をかけてあるので大丈夫です」
3. 「毎回、A さんに付き添ってください」
4. 「A さんには1人で居てもらいます」
適切な看護師の声かけは、「1. 「A さんが好きなことをして過ごせるようにします」」です。このアプローチは、Aさんが新しい環境に適応しやすくするために、彼の興味や好みを尊重することを示しています。個々の趣味や関心を取り入れることで、Aさんが通所介護施設で安心感を持ち、前向きな体験ができる可能性が高まります。
通所介護でレクリエーションが始まり、A さんは周囲を見ていたが、しばらくするとそわそわしながら席を離れていなくなった。その後、看護師は、介護職員からAさんがゴミ箱に排尿していたという報告を受けた。
このときの A さんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1. 目立たない場所にゴミ箱を置く。
2. 1時間ごとに尿意を確認する。
3. パンツ型おむつを勧める。
4. トイレの際は同行する。
選択肢「4. トイレの際は同行する。」が最も適切な対応です。アルツハイマー型認知症の進行により、Aさんはトイレの場所を認識できなくなっている可能性があります。これを防ぐために、トイレに行く際は介護職員が同行し、適切なトイレの使用を支援することが重要です。これにより、Aさんが適切な場所で排尿できるようになり、さらに事故や誤った行動を防ぐことができます。
入浴の時間になり、A さんは浴槽を見て「あれは、何?」と興味を示したが、介護職員が入浴を勧めると「今日はやめておく」と言う。看護師が再度入浴を勧めると、A さんは「今日は忙しくて時間がない」と答えている。
A さんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1. 全身清拭を行う。
2. 浴槽の説明を行う。
3. 自宅で入浴してもらう。
4. 時間をおいてから再度入浴を勧める。
選択肢「4. 時間をおいてから再度入浴を勧める。」が最も適切な対応です。Aさんがアルツハイマー型認知症を患っているため、特定の時間や状況に対する一時的な抵抗や拒否が生じることがあります。すぐに入浴を拒否する場合でも、少し時間をおいて心理的な準備ができたり、気分が変わったりすることで入浴への抵抗が減少することがあります。そのため、無理にその時点で入浴を強制するのではなく、適切なタイミングを見計らって再度提案することが良いアプローチです。