A 君(7歳、男児)は、サッカークラブに所属している。本日、練習中に転倒して右腕を地面についた後、肘周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親と救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右側の上腕骨顆上骨折と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることになった。A 君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。
ギプス固定にあたり、A 君への看護師の説明で適切なのはどれか。
1. 痛くないことを説明する。
2. すぐ終わることを説明する。
3. ギプスが乾くときに冷たくなると説明する。
4. ギプスに使うものを見せながら説明する。
選択肢「4. ギプスに使うものを見せながら説明する。」が最も適切な対応です。子供への説明では、視覚的なものを用いることが理解を助け、安心感を与える効果があります。A 君がギプスの材料を直接見ることで、何が使われるのかを具体的に理解し、治療プロセスへの不安を和らげることができます。また、これによってA君が治療にどのように協力すれば良いかの理解も深まるでしょう。
A 君は、整復術後の経過観察のため1泊入院することになった。
整復術後の合併症の観察方法で適切なのはどれか。
1. 患側の肩の皮膚色を観察する。
2. 患肢の観察は時間ごとに行う。
3. 感覚鈍麻の有無は患肢の手指を触れて観察する。
4. 冷感はギプスの中に看護師が手を入れて観察する。
整復術後においては、患部に関する観察が重要です。これには循環の確認(色、温度、脈)、感覚の確認(麻痺、感覚鈍麻)、および動き(運動機能)の確認が含まれます。A 君の場合、特に注意すべき点はギプス固定後の循環不全や神経障害のリスクです。これらを評価する最も効果的な方法は、患肢の感覚鈍麻の有無を手指を触れることによって観察することです。
選択肢「3. 感覚鈍麻の有無は患肢の手指を触れて観察する。」は、感覚の確認に直接的に関連しており、整復術後のギプス固定によって引き起こされる可能性のある神経障害の早期発見に役立つため、適切な観察方法です。
退院時、A 君は「明日から学校に行けるかな」と看護師に質問した。看護師は、学校には行けることを伝えた後、学校生活における注意点を説明することにした。
A 君への説明で適切なのはどれか。
1. 「右手の指は使わないでね」
2. 「ギプスは濡れても大丈夫だよ」
3. 「ギプスをぶつけないようにしてね」
4. 「体育の授業は休まなくてもいいよ」
退院後の学校生活で、A 君が注意すべき最も重要な点は、ギプスを守るための措置です。特に、ギプスを持った手を保護するためには、それをぶつけないようにすることが非常に重要です。これにより、再整復や追加の損傷を防ぎ、回復を促進することができます。
選択肢「3. ギプスをぶつけないようにしてね」は、学校での活動中にギプスがさらなるダメージを受けることを防ぐために適切なアドバイスです。