A さん(19 歳、男性)は、幼い頃から忘れ物や遅刻が多く、落ち着いて授業を受けることが難しかった。学校からは精神科の受診を勧められていたが、受診することなく高校まで卒業した。卒業後は事務職として働きはじめたが、仕事上のトラブルで上司や同僚から叱責を受けたことをきっかけに、仕事を無断で休むことが多くなった。
産業医から精神科外来を紹介され、両親とともに受診した。本人の診察と両親からの生育歴の聴取が行われ、注意欠如・多動性障害<ADHD>と診断された。
職場で A さんにみられる可能性が高い行動はどれか。
1. 仕事中に突然意識を失って倒れる。
2. 退勤時に戸締りの確認を繰り返す。
3. 集中して仕事をすることができない。
4. 状況にふさわしくない単語の発声を繰り返す。
診察後、A さんの両親は「親としてどうしたら良かったのでしょうか、私たちの育て方に問題があったのでしょうか」と外来看護師に話した。
このときの A さんの両親への対応として適切なのはどれか。
1. 「A さんは育てにくいお子さんでしたね」
2. 「職場の環境が悪かったことが原因です」
3. 「ご両親の育て方が原因ではないと思いますよ」
4. 「もっと早くAさんの問題に気が付けばよかったですね」
A さんは予約した受診日を忘れてしまい、受診できないことが度々あった。Aさんは、これまで忘れないための工夫を何もしてこなかったと外来看護師に話した。
A さんへの対応で最も適切なのはどれか。
1. 「ご家族に予定を管理してもらいましょう」
2. 「忘れてしまった理由を考えてみましょう」
3. 「予定を忘れたことで生じる不利益を整理してみましょう」
4. 「今予約した次回の受診日をこの場で予定表に書き込みましょう」