産業医から精神科外来を紹介され、両親とともに受診した。本人の診察と両親からの生育歴の聴取が行われ、注意欠如・多動性障害<ADHD>と診断された。
職場で A さんにみられる可能性が高い行動はどれか。
1. 仕事中に突然意識を失って倒れる。
2. 退勤時に戸締りの確認を繰り返す。
3. 集中して仕事をすることができない。
4. 状況にふさわしくない単語の発声を繰り返す。
Aさんの状況を考慮すると、ADHDの特徴に基づき、最も可能性が高い行動は「3. 集中して仕事をすることができない」です。ADHDの主な症状には注意の散漫、集中力の維持が困難であることが含まれます。これは、Aさんが学生時代に落ち着いて授業を受けることができなかった経験や、職場でのトラブルにもつながっている可能性があります。
診察後、A さんの両親は「親としてどうしたら良かったのでしょうか、私たちの育て方に問題があったのでしょうか」と外来看護師に話した。
このときの A さんの両親への対応として適切なのはどれか。
1. 「A さんは育てにくいお子さんでしたね」
2. 「職場の環境が悪かったことが原因です」
3. 「ご両親の育て方が原因ではないと思いますよ」
4. 「もっと早くAさんの問題に気が付けばよかったですね」
この状況では、A さんの両親が感じている罪悪感や心配を和らげるためには、彼らの感情に共感し、ADHDが育児スタイルの結果ではなく、脳の発達に関連する状態であることを理解させることが重要です。したがって、最も適切な対応は**「3. 「ご両親の育て方が原因ではないと思いますよ」」**です。この応答は、両親の無力感や自己責任を感じる感情を軽減し、ADHDが遺伝的および生物学的な要因に基づいている可能性があることを彼らに理解させることができます。
A さんは予約した受診日を忘れてしまい、受診できないことが度々あった。Aさんは、これまで忘れないための工夫を何もしてこなかったと外来看護師に話した。
A さんへの対応で最も適切なのはどれか。
1. 「ご家族に予定を管理してもらいましょう」
2. 「忘れてしまった理由を考えてみましょう」
3. 「予定を忘れたことで生じる不利益を整理してみましょう」
4. 「今予約した次回の受診日をこの場で予定表に書き込みましょう」
A さんが予約した受診日を忘れてしまう問題に対処するためには、具体的な行動を促すアプローチが有効です。この場合、**「4. 「今予約した次回の受診日をこの場で予定表に書き込みましょう」」**が最も適切です。これにより、A さんは直接的なアクションを通じて自己管理能力を高めることができ、忘れるリスクを軽減することが可能になります。同時に、この方法はA さん自身が自分の予定を管理する技術を学ぶのに役立ちます。