A さん(75 歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症の内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作<ADL>は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。
近所に住む長女が時々、A さんの様子を見に来ていた。ある日、A さんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折と診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。
手術前オリエンテーションの際の看護師の説明内容で適切なのはどれか。
1. 「手術はすぐに終わります」
2. 「手術後はすぐに水を飲めます」
3. 「手術後は両足とも動かしてはいけません」
4. 「手術後は背中にクッションを当てます」
大腿骨頸部骨折の手術後のケアにおいて、患者の快適性と安全性を確保するために行う一般的な処置としては、適切な体位保持が重要です。このため、「4. 手術後は背中にクッションを当てます」が、手術前オリエンテーションの際の看護師の説明内容として適切です。背中や腰の下にクッションを当てることは、圧迫部位の予防や体位変換時のサポート、術後の快適性の向上に役立ちます。
手術後 14 日。A さんは、回復期リハビリテーション病棟のトイレ付きの個室に移動した。A さんは歩行訓練を行っているが、立ち上がるときにバランスを崩しやすく「夜トイレに行こうとしてベッドから立ち上がるときに、ふらふらする。また転んでしまうのが怖い」と言っている。
このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1. ポータブルトイレを置く。
2. ベッドに移動介助バーを付ける。
3. ベッドの頭部側を 45 度挙上する。
4. 夜間はヒッププロテクターを装着する。
Aさんが夜間にトイレへ行く際にバランスを崩しやすく、「ふらふらする」と言っている状況では、安全性を確保しつつ自立を支援する措置が必要です。選択肢の中で最も適切な対応は「2. ベッドに移動介助バーを付ける」です。移動介助バーは、ベッドからの立ち上がりや座り込みをサポートし、バランスを取りやすくします。これにより、Aさんが夜間にベッドから立ち上がる際の安全性が向上し、転倒のリスクを減少させることができます。
A さんの退院日が決定した。看護師は、A さんの退院前の指導を行うことになった。A さんから「医師から骨がもろくなっていると言われました。これ以上悪くならないように何をすればよいでしょうか」と質問があった。
A さんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
1. 「体操は控えましょう」
2. 「炭酸飲料を飲みましょう」
3. 「果物を積極的に摂りましょう」
4. 「日光を浴びるようにしましょう」
骨がもろくなっている(骨粗鬆症の可能性がある)場合、骨の健康を維持または改善するためには、カルシウムやビタミンDの摂取が重要です。日光を浴びることは、ビタミンDの生成を促進し、これが骨の健康を支えるカルシウムの吸収を助けるため、非常に効果的です。したがって、「4. 日光を浴びるようにしましょう」が、Aさんへの適切なアドバイスです。