A さん(38 歳、会社員、女性)は夫と2人暮らし。通勤中に突然の頭痛を訴えて倒れ、救急搬送された。入院後に行った頭部 CT 検査および頭部 MRI 検査で、脳腫瘍と診断された。A さんは脳腫瘍摘出のために開頭術を受けた。
帰室後の看護として適切なのはどれか。
1. 発熱時の冷罨法は禁忌である。
2. 徐脈時は経過観察とする。
3. ベッドの頭側を挙上する。
4. 頸部を前屈させる。
脳腫瘍摘出手術後の患者には、脳内の圧力を適切に管理し、血流を促進させるためにベッドの頭側を少し高くすることが推奨されます。これは脳圧を適度に低下させ、術後の腫れや出血のリスクを減少させるためです。
脳腫瘍摘出手術の結果、膠芽腫と診断され、A さんは放射線療法と抗癌薬内服による化学療法を行うことになった。放射線療法を開始して1週後、A さんが頭皮のかゆみを訴えたため、副腎皮質ステロイド軟膏が処方された。
A さんへの説明として適切なのはどれか。
1. 「定期的に髪の毛をそります」
2. 「かゆみが強いときは温めてください」
3. 「軟膏は放射線照射前に拭き取ってください」
4. 「かゆみは放射線照射の終了日にはおさまります」
放射線治療中に使用する皮膚に塗る薬剤は、照射前には拭き取る必要があります。これは、軟膏が放射線の吸収や反射を引き起こし、皮膚への損傷を増大させる可能性があるためです。正しい使用方法の説明は、治療中の不快感を減少させ、皮膚の保護を図る上で重要です。
放射線療法と化学療法が開始されて 10 日が経過した。A さんはガーデニングの趣味があり、庭が気になるため週末の外泊を希望し、主治医から許可が出た。
外泊にあたり A さんへの説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
1. 「入浴は控えてください」
2. 「食べ物の制限はありません」
3. 「ガーデニングの時は手袋をしてください」
4. 「発熱を伴わない咳は様子を見てください」
5. 「性交渉の時はコンドームを使用してください」
ガーデニングの時は手袋をしてください - ガーデニング中に手袋を使用することは、土や植物からの可能な感染を防ぐために重要です。化学療法と放射線療法中は免疫系が抑制されており、感染のリスクが高まるため、手袋を着用することでそのリスクを減らすことができます。
性交渉の時はコンドームを使用してください - 化学療法を受けている患者にとって、性交渉中にコンドームを使用することは非常に重要です。これは、治療中に排出される薬物がパートナーに影響を及ぼさないようにするため、また性感染症や他の感染症から自身を守るためです。