46 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。

現病歴 : 部屋で倒れているのを母親が発見し、救急車を要請した。

既往歴 : 20 歳ころ、うつ病の治療歴あり。

生活歴 : 無職。喫煙歴および飲酒歴は長いようだが詳細は不明。

家族歴 : 独身。母親は健康で農業を営んでいる。父親は高校生の時に死亡したが 詳細は不明。

現症 : 体温 36.8 ℃。脈拍 108/分、整。血圧 140/90 mmHg。呼吸数 8/分。SpO2 88 %(リザーバー付マスク 10 L/分 酸素投与下)。閉眼しており痛み刺激で開眼しない。発語はない。痛み刺激を何回か繰り返すとわずかに四肢を動かす。瞳孔は両側とも径1mm に縮瞳し、対光反射は確認できない。呼気に有機溶媒臭があり、鼻汁、流涎および発汗がみられる。両側の胸部全体に wheezes を聴取する。心雑音を聴取しない。筋線維束攣縮を認める。腱反射の異常を認めない。


この患者において除染後直ちに行うべき処置はどれか。

a. 催吐

b. 胃洗浄

c. 気管挿管

d. 強制利尿

e. 活性炭投与

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この患者の鑑別診断において有用な血液生化学検査の項目はどれか。

a. カリウム

b. アミラーゼ

c. マグネシウム

d. ヘモグロビン

e. コリンエステラーゼ

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この患者に投与すべき薬剤はどれか。

a. ナロキソン

b. アトロピン

c. フルマゼニル

d. 亜硝酸ナトリウム

e. チオ硫酸ナトリウム

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)