34 歳の男性。大動脈解離の定期受診のため来院した。2年前に胸部下行大動脈解離を指摘され、以後、自宅近くの診療所で降圧薬の投与を受けている。自覚症状は特にない。父親は 30 歳台で大動脈疾患で死亡した。喫煙歴と飲酒歴はない。

身長 179 cm、体重 50 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 104/36 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 96 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。胸骨左縁第3肋間を最強点とするⅣ/Ⅵの拡張期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢が長く、クモ状指趾を認める。四肢末梢の動脈拍動に差を認めない。水晶体偏位を認める。胸部造影 CTと心エコー図とを別に示す。

この患者について正しいのはどれか。2つ選べ。

a. 常染色体劣性遺伝である。

b. 大量の心囊液貯留を認める。

c. Stanford A 型大動脈解離である。

d. 大動脈弁尖に著明な石灰化を認める。

e. 大動脈弁置換術および人工血管置換術の適応である。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)