問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
35歳の男性。1か月前の職場の健康診断で血液検査の異常を指摘されて来院した。自覚症状はないが、最近は仕事が忙しく睡眠不足気味であった。既往歴に特記すべきことはない。
眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
血液所見:赤血球478万、Hb 14.7g/dL、Ht 45%、白血球7,300、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.2g/dL、ハプトグロビン45mg/dL(基準19~170)、総ビリルビン2.9mg/dL、直接ビリルビン 0.5 mg/dL、AST 21 U/L、ALT 16 U/L、LD 290 U/L (基準176~353)、ALP 238 U/L(基準115~359)、γ-GTP 22 U/L(基準8~50)、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸5.9mg/dL、血糖98mg/dL。HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。腹部超音波検査で異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。
a. 肝生検
b. 上部消化管内視鏡検査
c. 翌年の健診受診の指示
d. 抗ミトコンドリア抗体測定
e. 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
体質性黄疸を疑う症例