62 歳の男性。右下肢の痛みを主訴に来院した。
現病歴:半年前から散歩の際に右下肢の疲れやすさを自覚していた。か月前から 15 分程度の平地歩行で右下肢の痛みが出現するようになった。しばらく立ち止まっていると痛みが軽快して再び歩くことができた。様子をみていたが同様の症状 が続くため受診した。
既往歴:45 歳から高血圧症、脂質異常症および高尿酸血症。55 歳から心房細動。57 歳から逆流性食道炎。アンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬、スタチン<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>、尿酸排泄促進薬、抗凝固薬およびプロトンポンプ阻害薬を処方されている。
生活歴:喫煙は 30 本/日を 42 年間。飲酒はビール 500 mL/日を 42 年間。営業職で外食が多い。
家族歴:父親が 82 歳で大動脈瘤破裂。母親が 84 歳で脳梗塞。
現症:意識は清明。身長 172 cm、体重 82 kg。体温 36.2 ℃。脈拍 92/分、整。血圧は右上腕で 142/92 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。両頸部および両鎖骨上部に血管雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音を聴取する。腹部大動脈の拍動を触知しない。両鼠径部に血管雑音を聴取しない。四肢末梢に皮膚潰瘍を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 537 万、Hb 17.4 g/dL、Ht 54 %、白血球 6,300、血小板 22 万、PT-INR 2.1 (基準 0.9〜1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.4 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 1.0 mg/dL、直接ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 18 U/L、 LD 182 U/L 8基準 176〜353:、ALP 320 U/L (基準 115〜359)、γ-GTP 142 U/L (基準8〜50)、CK 120 U/L (基準30〜140)、尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニン 1.2 mg/dL、尿酸 7.2 mg/dL、血糖 108 mg/dL、総コレステロール 278 mg/dL、トリグリセリド 356 mg/dL、HDL コレステロール 48 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 3.9 mEq/L、Cl 98 mEq/L。
この患者の四肢の収縮期血圧と考えられるのはどれか。
閉塞性動脈硬化症による右下肢の血流不良が考えられる。
右下肢の血圧が低いものを選ぶ。
抗血小板作用を有する血管拡張薬を追加する場合、服用中の薬剤で副作用が出現する可能性が高まるのはどれか。
a. 抗凝固薬
b. 尿酸排泄促進薬
c. プロトンポンプ阻害薬
d. スタチン<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>
e. アンジオテンシン変換酵素<ACE>阻害薬
抗血小板薬と抗凝固薬の併用は出血リスク高い。