78歳の女性。夕食後に腹痛が出現し、次第に増強したため救急車で搬入された。43歳時に卵巣囊腫摘出術を受けている。

体温 38.0 ℃。心拍数 120/分、整。血圧116/66 mmHg。SpO2 98 %(鼻カニューラ1L/分 酸素投与下)。腹部は膨隆し、下腹部に圧痛と筋性防御とを認めた。腹部造影CTで絞扼性イレウス及び汎発性腹膜炎と診断され、緊急手術を行うことになった。

手術室入室時、体温 38.0 ℃。心拍数 124/分、整。血圧 90/54 mmHg。SpO2 100 %(マスク6L/分 酸素投与下)。麻酔導入は、酸素マスクによって十分な酸素化を行いつつ、静脈麻酔薬と筋弛緩薬とを投与後、陽圧換気を行わずに輪状軟骨圧迫を併用し迅速に気管挿管を行う迅速導入とした。

下線に示すような麻酔導入を行う目的はどれか。

a. 誤嚥の防止

b. 気胸の予防

c. 舌根沈下の予防

d. 声帯損傷の回避

e. 食道への誤挿管の回避

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)