28歳の初妊婦。妊娠 10 週で悪心と嘔吐とを主訴に来院した。妊娠 7 週ごろから悪心と嘔吐とが出現し次第に悪化してきた。1 週間前からは経口摂取が困難になり、2 日前から自力歩行が困難となったため夫に支えられて来院した。既往歴に特記すべきことはない。

意識は清明。身長 161 cm、妊娠前体重 55 kg で現在は 48 kg。体温 36.9 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 92/56 mmHg。呼吸数 20/分。皮膚は乾燥している。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

尿所見:黄褐色で軽度混濁、蛋白3+、糖1+、ケトン体4+。血液所見:赤血球 396 万、Hb 14.1 g/dL、Ht 42 %、白血球 13,100。血液生化学所見:総蛋白 7.4 g/dL、AST 30 U/L、ALT 22 U/L、血 糖 92 mg/dL、Na 126 mEq/L、K 3.6 mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 0.2 mg/dL。経腟超音波検査で子宮内に胎囊を認める。胎児心拍は陽性で頭殿長(CRL)は 33 mm である。

まず行うべきなのはどれか。

a. 濃厚流動食品の経口投与

b. 胃管からの経腸栄養剤の投与

c. 生理食塩液の大量静脈内投与

d. 20%ブドウ糖液の急速静脈内投与

e. ビタミンB1を含む維持輸液の静脈内投与

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)