問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
生後11 日の新生児女児。2日前から嘔吐を繰り返し哺乳力が低下したため、両親に連れられて来院した。在胎 39 週、出生体重 3,180 g、Apgar スコア 9点(1分) 、9点(5分)で出生した。完全母乳栄養であるが、来院の3日前までの哺乳力は良好で、1日2回の黄色顆粒便を排泄していた。出生した産科診療所から新生児マススクリーニングで異常を認めたと本日、家族が連絡を受けた。来院時は活気がなく、泣き声は微弱であった。
身長 52 cm、体重 3,230 g。体温 36.3 ℃。心拍数160/分、整。血圧 60/30 mmHg。呼吸数 50/分。SpO2 96 %(room air)。毛細血管再充満時間4秒と延長している。全身の色素沈着と軽度の黄染とを認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を 1.5 cm 触知するが、脾は触知しない。腸雑音に異常を認めない。大泉門は径 1.5 cm でやや陥凹している。陰核の肥大を認める。診断のため血液検査を施行することとなった。
異常高値を呈する可能性の高い検査項目はどれか。
a. 血糖
b. カリウム
c. 静脈血 pH
d. アンモニア
e. 直接ビリルビン
先天性副腎皮質過形成症の症例である。
アルドステロン合成低下により低ナトリウムと高カリウムを呈する。