問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
70歳の男性。胸部異常陰影の精査のため入院した。かかりつけ医で撮られた胸部エックス線写真で、右肺に悪性腫瘍と考えられる腫瘤性病変を認めたため、精査目的で紹介されて入院した。2年前から歩き方が小刻みになり、しばしば転倒するようになったという。
意識は清明。脈拍 60/分、整。血圧 126/78 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察では、両側性に振戦および筋強剛、動作緩慢を認めるが、姿勢反射は保たれており Hoehn & Yahr の分類はⅡ度である。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは 26 点(30 点満点)である。
入院時の転倒予防対策として適切なのはどれか。
a. 昼間に睡眠薬を用いる。
b. ベッド上で身体拘束を行う。
c. 病室のドアに外から鍵をかける。
d. ベッド周囲に離床センサーを設置する。
e. 家族が終日付き添うことを入院の条件とする。
常識的に考えましょう。