38歳の初妊婦(1妊0産)。発熱、悪寒および腹部緊満を主訴に来院した。妊娠30週。妊娠経過は順調で胎児の発育も問題ないと言われていた。既往歴に特記すべきことはない。

意識は清明。身長 161 cm、体重 60 kg。体温 38.8 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 120/74 mmHg。呼吸数 20/分。胎児心拍数陣痛図で頻脈を認めるが基線細変動は中等度、一過性頻脈を認めるが一過性徐脈は認めなかった。

尿所見:色調は黄色、比重 1.010、pH 6.0、蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血(−)、沈渣に赤血球0〜1/HPF、白血球10〜19/HPF。血液所見:赤血球 388万、Hb 12.0 g/dL、Ht 35%、白血球13,100(桿状核好中球 17%、分葉核好中球 61%、好酸球 2%、好塩基球0%、単球 10%、リンパ球 10%)、血小板 25万。血液生化学所見:総ビリルビン 1.0 mg/dL、AST 32 U/L、ALT 24 U/L、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.5 mg/dL、血糖 98 mg/dL、Na 136 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 100 mEq/L。尿培養と血液培養の検体を採取した後にセフトリアキソンの経静脈投与を開始した。翌日、血液培養が2セットとも陽性になったと連絡を受けた。連絡を受けた時点で体温 38.5 ℃、腹部緊満は持続していた。血液培養ボトル内容の塗抹Gram染色写真を別に示す。

適切な抗菌薬治療の方針はどれか。

a. アンピシリンに変更する。

b. 感受性試験結果が出るまでセフトリアキソンを継続する。

c. セフトリアキソンを中止して経過を観察する。

d. メロペネムに変更する。

e. レボフロキサシンに変更する。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)