75 歳の男性。S 状結腸癌のため全身麻酔で腹腔鏡下S状結腸切除術を行うため手術台に移動した。身長 164 cm、体重 58 kg。静脈路を確保後、酸素マスクで酸素化し、急速導入で麻酔導入を行い気管挿管した。麻酔回路に接続し、酸素流量 5L/分で呼吸バッグで手動換気した。上腹部聴診では空気の流入音はなく、右肺の呼吸音は聴取できたが、左肺の呼吸音は確認できず、左胸郭の上がりは不良だった。胸部打診では左右差がなかった。気管チューブの目盛りは門歯の位置で 28cm。カプノグラフの波形は出現しており、SpO₂ は 89 % を示していた。

低酸素血症の原因として最も可能性が高いのはどれか。

a. 気胸

b. 片肺挿管

c. 食道挿管

d. 気管支けいれん

e. 気管チューブ閉塞

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)