23 歳の男性。自宅で倒れているのを発見され救急車で搬入された。
現病歴 : 徹夜でゲームをしており、昨夜から母親の制止を聞かずに市販のカフェイン含有飲料を多量に飲用していた。摂取カフェイン総量は 2,500 mg 以上と推定された。今朝、自宅で倒れているのを母親が発見し救急車を要請した。
既往歴 : 特記すべきことはない。
生活歴 : 家族と同居、一日中家にいて、外出することは少ない。3年前に退職後は定職についていない。
家族歴 : 特記すべきことはない。
現症 : 呼びかけにより開眼、「アー」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温 38.2 ℃。心拍数 148/分、整。血圧98/70 mmHg。呼吸数 30/分。SpO₂ 97 %(マスク5L/分酸素投与下)。瞳孔径5mmで左右差を認めない。口腔内に吐物を認める。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。心音に異常を認めない。両胸部に coarse crackles を聴取する。多量の尿失禁を認める。
検査所見 : 血液所見:赤血球 459 万、Hb 15.1 g/dL、Ht 44 %、白血球 11,400、血小板 25 万。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 24 U/L、CK 624 U/L(基準30〜140) 、尿素窒素 40 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、血糖 112 mg/dL、Na142 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 96 mEq/L。CRP 2.4 mg/dL。
最初に行う輸液の組成として最も適切なのはどれか。
a. 5% ブドウ糖液
b. Na⁺ 35 mEq/L、K⁺ 20 mEq/L、Cl⁻ 35 mEq/L
c. Na⁺ 154 mEq/L、濃グリセリン、フルクトース配合液
d. Na⁺ 30 mEq/L、K⁺ 0 mEq/L、Cl⁻ 20 mEq/L、L-Lactate⁻ 10 mEq/L
e. Na⁺ 130 mEq/L、K⁺ 4 mEq/L、Cl⁻ 109 mEq/L、L-Lactate⁻ 28 mEq/L
カフェイン中毒の症例。
BUN 40、Cr 0.9 と脱水を認めている。細胞外液の投与をまずおこなう。
静脈路確保の次に行うべき対応はどれか。
a. 胃洗浄
b. 気管挿管
c. 血液透析
d. 血液濾過
e. 活性炭投与
意識レベル不良、酸素化不良、口腔内吐物あり。気管挿管が必要と思われる。
救急外来での処置後に集中治療室においてエコー下で右内頸静脈から中心静脈カテーテルを留置する方針となった。局所麻酔後にカテーテル留置のための穿刺を行ったところ鮮紅色の血液の逆流を認めた。穿刺針を抜去したところ同部位が急速に腫脹し始めた。血圧 92/60 mmHg。心拍数 130/分、整。
直ちに行うべきなのはどれか。
a. 赤血球輸血
b. 昇圧薬の投与
c. 局所の圧迫止血
d. 逆流した血液の血液ガス分析
e. 反対側でのカテーテル挿入手技の継続
動脈穿刺をしてしまった!!まずは圧迫を。