80 歳の女性。右上腹部痛、体重減少および皮膚の黄染を主訴に来院した。1年前から食後に軽度の悪心を自覚していた。3か月前から食後に右上腹部痛が出現するため好物の天ぷらを食べたくなくなったという。1か月前から体重が減少し、家族に皮膚の黄染を指摘され受診した。
身長 145 cm、体重 38 kg。体温 36.7 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 114/70 mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜は軽度貧血様で、眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部から右季肋部にかけて圧痛を認め、同部に呼吸に応じて移動する径3cm の腫瘤を触知する。
尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ウロビリノゲン(-)、潜血(-)、ビリルビン1+。便潜血反応陰性。血液所見:赤血球 354 万、Hb 10.9 g/dL、Ht 34 %、白血球 6,700、血小板 14 万。血液生化学所見:総蛋白 5.8 g/dL、アルブミン 3.1 g/dL、総ビリルビン 4.8 mg/dL、AST 76 U/L、ALT 65 U/L、LD 759 U/L(基準120〜245)、γ-GT 145 U/L(基準8〜50)、アミラーゼ 134 U/L(基準 37〜160)、尿素窒素 19 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、血糖 118 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 100 mEq/L、CEA 6.7 ng/mL(基準5以下)、CA19-9 89 U/mL(基準 37 以下)。CRP 0.4 mg/dL。胸部および腹部エックス線写真で異常を認めない。腹部超音波検査で両側肝内胆管の拡張と肝門部での途絶を認めた。
次に行うべき検査として適切なのはどれか。
a. 腹部造影 CT
b. 超音波内視鏡検査
c. 下部消化管内視鏡検査
d. 上部消化管内視鏡検査
e. 内視鏡的逆行性胆管膵管造影<ERCP>
肝門部胆管癌の症例。