38 歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠 34 週に激しい腹痛と性器出血のため救急車で搬入された。これまでの妊娠経過は順調であったが、妊娠 33 週の妊婦健康診査で両下腿の浮腫と尿蛋白、軽度の血圧上昇を指摘されていた。喫煙は、妊娠前は 20本/日であったが、妊娠後は5本/日に減らしている。

体温 36.9 ℃。心拍数 72/分、整。血圧 170/90 mmHg。腹痛のため表情は苦悶様で、腹部は膨隆しており板状に硬く、圧痛を認める。腟鏡診で少量の性器出血を認め、内診で子宮口は閉鎖している。尿蛋白2+超音波検査で子宮底部に存在する胎盤の著明な肥厚を認める。胎児心拍数陣痛図で基線細変動の減少と遅発一過性徐脈を認める。

最も考えられるのはどれか。

a. 切迫早産

b. 切迫流産

c. 前置胎盤

d. 絨毛膜羊膜炎

e. 常位胎盤早期剝離

問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)