48 歳の男性。倦怠感と口渇を主訴に来院した。

現病歴 : 2年前から糖尿病を指摘されていたが医療機関を受診していなかった。3か月前から倦怠感、体重減少および口渇が出現した。ここ数日で口渇が顕著になったため来院した。

既往歴 : 特記すべきことはない。

生活歴 : 会社員で1人暮らし。喫煙歴は 15 本/日を 28 年間。36 歳から禁酒している。朝食は菓子パン、昼食は社内食堂の定食、夕食はコンビニエンスストアのお惣菜などの食生活である。

家族歴 : 父が 72 歳の時に膵癌。母が脂質異常症。

現 症 : 意識は清明。身長 174 cm、体重 90 kg。体温 36.8 ℃。 脈拍 80/分、整。血圧 126/88 mmHg。呼吸数 24/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内の乾燥を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。アキレス腱反射の低下を認める。

検査所見 : 尿所見:蛋1+、糖4+、ケトン体4+、潜血(-)。血液所見:赤血球 478 万、Hb 15.4 g/dL、Ht 35 %、白血球 9,800、血小板 15 万。血液生化学所見:総蛋白 7.1 g/dL、AST 29 U/L、ALT 54 U/L、LD 214 U/L(基準 120〜245)、γ-GT 173 U/L(基準8〜50)、尿素窒素 12 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、随時血糖 281 mg/dL、HbA1c 10.8 % (基準4.6〜6.2)、総コレステロール 150mg/dL、Na 134 mEq/L、K 4.2 mEq/L、Cl 98 mEq/L。


糖尿病と診断し治療を開始するとともに、教育入院を行うこととした。 適切なのはどれか。

a. クリニカルパスの適応ではない。

b. シックデイの対処方法を教育する。

c. 主治医のみの判断で指導計画を行う。

d. 過去に教育入院歴がないことが条件である。

e. 糖尿病合併症が診断されると教育入院は中止となる。

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血糖コントロールのためインスリン自己注射の指導を行うことになった。 適切なのはどれか。

a. 自己血糖測定機器の指導も行う。

b. 未使用のインスリン製剤は常温で保管する。

c. 21 G の注射針を使用する。

d. 注射は毎回同じ部位に行うように指導する。

e. 薬剤の注入はできるだけ急速に行うように指導する。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)