20 歳の男性。医学部在籍中の2年次学生である。週間の病院実習に初めての参加を予定しており、10 か月前(年次)に受けた抗体検査の結果を持って病院実習担当の医師に相談に来た。

既往歴 : 感染症の既往はないという。予防接種で発熱などの副反応が出たことはない。

生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。

家族歴 : 特記すべきことはない。

検査所見 : 10 か月前の抗体検査の報告書を示す。


の学生の相談の際に話す内容で適切なのはどれか。

a. 「BCG 接種が必要です」

b. 「MR ワクチンの再接種が必要です」

c. 「帯状疱疹になる可能性が高いです」

d. 「B 型肝炎ワクチンの接種状況を教えてください」

e. 「流行性耳下腺炎患者の診療には参加できません」

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その後の経過 : 相談に来た学生は医学部を卒業し、5年後に研修医として同じ大学病院で勤務を始めた。この研修医が平日に救急外来で勤務していたところ、54歳の男性が自転車の転倒による挫創のため来院した。初診患者でこの病院に受診歴はない。この研修医が創部の縫合処置を行っている最中、誤って縫合針を自分の指に刺した。研修医は創部から血を絞り出し流水で十分に洗浄すると同時に、直ちに研修医自身と患者の血液検査を行った。

外傷患者の血液検査結果が陽性だった場合、できるだけ早期に研修医に対する内服予防投与の開始が必要なのはどれか。

a. HIV

b. HBV

c. HCV

d. 梅毒

e. HTLV-1

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)