問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
日齢2の新生児。黄疸のため救急車で搬入された。在胎 40 週3日、出生体重3,126 g、Apgar スコア7点(1分)、9点(5分)であった。生後6時間から完全母乳栄養を開始した。生後 24 時間から黄疸を認めたため1面で光線療法を開始したが生後 48 時間でのビリルビン値が 30 mg/dL のため救急車を要請し、NICU に入院となった。
傾眠傾向である。体温 37.3 ℃。心拍数 140/分、整。呼吸数 40/分。大泉門は陥没し、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。吸啜反射、Moro 反射は減弱し、四肢の筋緊張はやや低下している。
血液所見:赤血球 380 万、Hb 12.0 g/dL、Ht 30 %、網赤血球5%、血小板 40 万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dL、アルブミン 3.5 g/dL、総ビリルビン 29.5mg/dL、直接ビリルビン 1.5 mg/dL、AST 12 U/L、ALT 15 U/L、LD 990 U/L(基準値 311〜737)。母親の血液型は O 型RhD(+)、児 A 型 RhD(+)。
適切な対応はどれか。
a. 血漿交換
b. 交換輸血
c. アルブミン投与
d. 多面照射光線療法
e. ガンマグロブリン投与
光線療法での効果が不十分であった新生児黄疸に対する対応の問題。
交換輸血は、ビリルビン値が非常に高く光線療法で十分な効果が得られない場合に用いられる。