問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
70歳の女性。腰背部痛を主訴に来院した。1年前に右乳癌で乳房切除術を受けたが、その後肝、肺および腰椎に転移が認められていた。薬物による抗癌治療を選択せず、通院せずに自宅での療養を希望した。1か月前から右腰背部に鈍痛を自覚し、1週前から増強するために受診した。疼痛に対しNSAIDの投与が開始されたが、疼痛で眠れないため、本日受診時に硫酸モルヒネの投与が追加された。
今後注意すべき症状に含まれないのはどれか。
a. 黄疸
b. 悪心
c. 下痢
d. 下肢麻痺
e. 呼吸困難
乳癌術後、遠隔転移の症例。モルヒネ投与されている患者。
a 肝転移による黄疸はきたしうる
b 悪心はオピオイドの副作用である
c 下痢ではなく便秘をきたしうる
d 腰椎転移により下肢麻痺をきたしうる
e 肺転移による呼吸困難が出現しうる