60歳の男性。右片麻痺と言語障害を主訴に救急車で搬入された。現在高血圧症で内服加療中である。今朝起きて1時間後から右手足の動きが悪く、言葉が出にくいことに気付いた。

意識はJCS Ⅰ-1。体温 36.5 ℃、心拍数 90/分、整。血圧 160/94 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 96% (room air)。運動性失語を認める。右片麻痺は徒手筋力テストで上下肢共に3。

心電図は洞調律であった。胸部エックス線写真で異常を認めない。頭部単純CTで異常を認めない。血液所見:赤血球 450万、Hb 14.2 g/dL、Ht 42%、白血球 8,800、血小板 18万、PT-INR 1.0(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:尿素窒素 15 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、血糖 102 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 3.7 mEq/L、Cl 99 mEq/L。血液検査の結果が出るまでに施行した頭部 MRIの拡散強調像では、左中大脳動脈領域の一部で限局性に淡い高信号域を認めた。発症から 90分経過している。

まず急速静注すべき薬剤はどれか。

a. β遮断薬

b. ベラパミル

c. 塩化カリウム

d. 副腎皮質ステロイド

e. t-PA〈tissue plasminogen activator〉

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)