85歳の女性。軽度の認知症(自立度Ⅰ)と問題行動(夜間せん妄)について要介護1の認定を受けている。訪問した介護福祉士が、処方薬(降圧薬)が不足していることに気付き、付き添って受診した。

身長 153 cm、体重 38 kg。体温 36.0 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 162/88 rnmHg。呼吸数 16/分。意識清明で問いかけには答えるが、口数が少なく、周囲を気にしておびえている様子がうかがわれる。眼瞼結膜に軽度貧血を認める。残存歯が3本のみで口腔内の衛生は不良である。皮膚はツルゴールがやや低下しており、腹部に湿疹を認め、掻破痕が著しい。四肢に外傷はないが、背部・臀部に新旧混在した複数の皮下出血斑や打撲痕を認める。介護福祉士によると、息子と2人暮らしで、息子は昼間外出していることが多く、不定期に就労しているらしいという。

まずとるべき対応はどれか。

a. ケアマネジャーに処方管理を依頼する。

b. 歯科衛生士を紹介受診させる。

c. 次回受診時に息子を同伴するように伝え、処方して帰宅させる。

d. 直ちに最寄りの警察に保護入所を依頼する。

e. 地域包括支援センターに虐待の可能性について相談する。

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)