83歳の男性。呼吸困難を主訴に救急外来を受診した。

現病歴:6年前から呼吸器疾患で入退院を繰り返しており、訪問診療と訪問看護を受けている。在宅酸素療法を受けている。昨日夜から呼吸困難が増悪し、様子を見たが改善しないため近所の人に連れられて来院した。

既往歴:26歳時に虫垂炎手術を受けている。

生活歴:一人暮らし。妻は3年前に死亡。二人の子供はいずれも県外在住。喫煙は20歳から20本/日を58年間。5年前に禁煙。

家族歴:父が80歳時に脳出血で死亡。

現症:来院時、意識レベルはJCS I-1。呼吸困難のために会話が困難である。身長 160cm、体重 48kg。体温 36.4℃。脈拍100/分、整。血圧 124/72 mmHg。呼吸数22/分。SpO2 88%(携帯用の酸素ボンベで鼻カニューラ1L/分)。じっとりと汗をかいている。呼吸音は減弱しており、呼気時に喘鳴を聴取する。口すぼめ呼吸を認め、胸鎖乳突筋が発達している。

検査所見:血液所見:赤血球452万、Hb 15.3 g/dL、Ht 44%、白血球 9,200。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dL、アルブミン 2.8 g/dL、AST 36 U/L、ALT 32 U/L、LD 338 U/L(基準 120~245)、尿素窒素 25 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、Na 140 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 102 mEq/L。動脈血ガス分析(鼻カニューラ 1L/分 酸素投与下):pH 7.33、PaCO2 56Torr、PaO2 58Torr、HCO3- 30mEq/L。

初期対応として酸素投与を開始することとした。


適切な酸素投与量はどれか。

a. 鼻カニューラ2L/分

b. 鼻カニューラ4L/分

c. 鼻カニューラ6L/分

d. フェイスマスク6L/分

e. フェイスマスク10L/分

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入院後適切な治療が行われ退院することとなった。

この患者の退院時療養支援への関与が低いのはどれか。

a. 在宅医

b. 訪問看護師

c. 臨床検査技師

d. ケアマネジャー

e. ソーシャルワーカー

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)