問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
43 歳の女性。めまいを主訴に来院した。約 30 分持続する回転性めまいを反復する。めまいの際に右耳の耳閉感とジーという耳鳴を伴う。鼓膜に異常を認めない。純音聴力検査で右耳に中等度の感音難聴を認める。頭位眼振検査で左向き水平眼振を認める。頭部 MRI で異常を認めない。
治療として適切なのはどれか。
a. 水分制限
b. 頭位治療
c. 利尿薬投与
d. 抗ウイルス薬投与
e. ガンマグロブリン投与
この症例は、回転性めまい、耳鳴り、耳閉感、感音難聴、水平眼振が特徴であり、これらの症状はメニエール病を示唆している。
メニエール病は内耳の異常によって引き起こされ、内耳液の過剰な蓄積が原因であると考えられている。
a. 水分制限: メニエール病の治療において、水分制限は一般的に推奨されない。
b. 頭位治療: 頭位治療は良性発作性頭位めまい症(BPPV)の治療に有効であり、メニエール病の治療ではない。
c. 利尿薬投与: メニエール病の治療。内耳における液体の圧力を減少させることが目的。
d. 抗ウイルス薬投与: 抗ウイルス薬は一般に帯状疱疹ウイルスによる難聴など、特定のウイルス感染症に対して使用される。
e. ガンマグロブリン投与: メニエール病の治療ではない。