問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
3 歳 4 か月の男児。眼位異常を主訴に両親に連れられて来院した。最近になって眼が内寄りになる頻度が増加していることに両親が気付いたという。
細隙灯顕微鏡検査と眼底検査で異常を認めない。調節麻痺薬の点眼下に測定した屈折値は右+6.00 D 左+ 6.00 D であった。
対応として適切なのはどれか。
a. 経過観察
b. 低矯正の眼鏡装用
c. プリズム眼鏡の装用
d. 完全矯正の眼鏡装用
e. 全身麻酔下の斜視手術
遠視を背景とした調節性内斜視の症例。
屈折値が右+6.00 D、左+6.00 Dという結果は、かなりの遠視を持っていることを示している。
遠視の子供では、近くの物をはっきりと見るためには眼の調節が必要となるが、これが過剰に行われると、眼球が内側に向かってしまう内斜視の原因となることがある。
適切な屈折異常(遠視治療)の矯正は内斜視の予防や改善に非常に有効。