問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
生後 1 時間の男児。在胎 30 週、体重 1,200 g、Apgar スコア 6 点( 1 分)、8 点( 5 分)で出生した。母親は 28 歳の初産婦。胎児心拍数陣痛図で遅発一過性徐脈を認めたため、緊急帝王切開が行われた。出生後、第 1 呼吸を認めたが、蘇生台で処置中に浅い呼吸を認めるようになり、NICU 内の哺育器に収容した。
体温36.5 ℃。心拍数 148/分、整。呼吸数 90/分。SpO₂ 97 %(哺育器内の酸素濃度30 %)。心音に異常を認めない。呼吸音は左右差なく肺胞呼吸音を聴取する。胸骨上窩と季肋下とに陥没呼吸を認める。胃液を用いて検査を行ったところ、結果は「zero」であった。検査の際に用いた器具の写真を別に示す。
検査結果を踏まえた対応として適切なのはどれか。
a. 胃洗浄
b. 抗菌薬投与
c. インドメタシン投与
d. デキサメタゾン投与
e. 肺サーファクタント気管内投与
行った検査はマイクロバブルテスト。
在胎30週の早産児で呼吸困難症候群(RDS)が疑われる場合、特に陥没呼吸が見られる場合には、肺サーファクタントの不足が原因である可能性が高い。治療は肺サーファクタントの気管内投与。