74 歳の男性。食物のつかえ感を主訴に来院した。3 か月前から食事中のつかえ感を自覚したが、徐々に増悪し食事摂取が困難になったため受診した。意識は清明。身長 170 cm、体重 46 kg( 3 か月で 10 kg 減少)。体温 37.0 ℃。脈拍 64/分、整。血圧 100/56 mmHg。呼吸数 14/分。SpO₂ 96 %(room air)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内は乾燥している。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡検査で中部食道に腫瘍があり、内視鏡下生検の病理検査で扁平上皮癌と診断された。経口摂取が困難なため、経管栄養を行うこととした。胃管を鼻翼から 55 cm まで挿入し、間欠的な経管栄養を開始した。翌日、経管栄養再開前に胃管が 30 cm 抜けていることに看護師が気付き主治医に報告した。
経管栄養再開前の対応で適切なのはどれか。
a. そのまま再開する。
b. 胃管を 55 cm まで挿入し再開する。
c. 胃管を 55 cm まで挿入し心窩部で空気注入音を聴取し再開する。
d. 胃管を 55 cm まで挿入し水を注入して胃管の開通を確認し再開する。
e. 胃管を 55 cm まで挿入し胸部エックス線写真で胃管先端が胃内にあることを確認し再開する。