問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 妊娠高血圧
b. HELLP 症候群
c. 高血圧合併妊娠
d. 妊娠高血圧腎症
e. 加重型妊娠高血圧腎症
この患者の診断は「d. 妊娠高血圧腎症」です。
理由として、以下のポイントが挙げられます:
- 妊娠34週で、血圧が152/100 mmHgと高血圧を認める。
- 尿蛋白が3+で、尿蛋白/クレアチニン比が2.4 g/gCrと高値を示している。
- 妊娠高血圧腎症(以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていた)は、妊娠20週以降に初めて発症する高血圧と、それに伴う蛋白尿が特徴です。
- その他の所見(例えば浮腫や胎児の状態)もこの診断と一致しています。
**他の選択肢について:**
- **a. 妊娠高血圧**:高血圧はあるが蛋白尿がない場合を指します。このケースでは蛋白尿が認められるため、該当しません。
- **b. HELLP 症候群**:Hemolysis(溶血)、Elevated Liver enzymes(肝酵素上昇)、Low Platelets(血小板減少)が特徴ですが、この患者はこれらの所見を示していません。
- **c. 高血圧合併妊娠**:妊娠前から既に高血圧が存在する場合を指します。この患者の高血圧は妊娠中に初めて発症したものです。
- **e. 加重型妊娠高血圧腎症**:既存の高血圧や腎疾患に妊娠高血圧腎症が加わった場合を指しますが、この患者にはそのような既往歴はありません。