68 歳の男性。背部の広範な出血斑を主訴に来院した。 1 週間前から四肢に紫斑 がみられるようになった。昨日入浴時に背部の広範な出血斑に気付いたため受診し た。高血圧症と心房細動で降圧剤とワルファリンを内服している。血液所見:PTINR 4.0(基準 0.9~1.1)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉60 秒(基準 対照 32.2)。交差混合試験では、患者血漿に正常血漿を添加すると凝固時間の延長は補正された。
治療で適切なのはどれか。 2 つ選べ。
a. ビタミン K 投与
b. 第Ⅷ因子製剤投与
c. ワルファリンの中止
d. ガンマグロブリン投与
e. グルココルチコイド投与
この患者の治療で適切なのは「a. ビタミンK投与」と「c. ワルファリンの中止」です。
理由としては、患者はワルファリンを内服しており、その効果によりPT-INRが大幅に延長し、出血傾向がみられます。ワルファリンの効果を逆転させるためには、ビタミンKの投与が有効です。また、ワルファリンの中止も必要です。
- **a. ビタミンK投与**: ワルファリンの効果を拮抗し、凝固機能を正常化するために使用されます。
- **c. ワルファリンの中止**: 出血傾向が強いため、ワルファリンを中止して出血リスクを減少させる必要があります。
他の選択肢については、以下の通りです:
- **b. 第Ⅷ因子製剤投与**: この患者のケースでは適応がありません。第Ⅷ因子欠乏に対する治療であり、この患者の出血はワルファリンによるものです。
- **d. ガンマグロブリン投与**: 免疫性血小板減少症などの治療に使われますが、このケースでは適応外です。
- **e. グルココルチコイド投与**: 免疫関連の凝固障害の治療に使用されますが、この患者の出血傾向の原因はワルファリンによるものであり、適応外です。